スタートアップに関わる人間にとって、サンフランシスコは夢を見る場所であり、世界を変えるのにもっとも適した環境だと言われている。私たちも、その一部としてこれから向こうで挑戦しようと考えているわけだが、いきなり単身で突っ込むよりも、まずはご挨拶程度に滞在して現状を理解する必要があると思い、CEOの中能と私は約10日間、サンフランシスコに滞在した。
その10日間は、驚きと発見の連続だった。アイディアを否定され、「お前たちがやっていることは愚かでしかない」と言われることを覚悟していた。しかし蓋を開けてみれば、会ってくださった方々はとても熱く私たちの取り組みに共感し、「手伝いたい」と言ってくれた。私たちは、サンフランシスコのエコシステムに心から感動した。
一つ、強く印象に残ったのが初日に参加したAI Valleyが主催するハッカソンだった。会場にはおそらく40人ほどがいて、若いエンジニアからそれなりに経験を積んだBuilderまで幅広い層が集まっていた。さらには現地のスタートアップが採用看板を掲げており、朝昼晩の食事も提供されていた。実力のある人間が1人でPrizeを獲り、すべての活動費が負担される。ホームレスのFounderでも生きていける世界が、そこにはあるのだと感動した。
主催のAI Valleyは、Mixmax、ElevenLabs、Afore Capitalから支援を受けて運営されており、ファースト・ジェネレーションのAI BuilderやFounderを支援している。このエコシステムこそが、この都市が世界の覇者であり続けている理由だと感じた。
滞在中、私たちは優秀な学生たち——StanfordやBerkeley、その他の大学——をリクルーティングした。「AIに人権を与えるレイヤーまであげた先にある未来を見たい」。ただただ口説くことに専念し、幸いにも、私たちのPhilosophyに共感してくれる方が多く、結果としてチームに迎え入れることができた。
私は、"Only the paranoid survive"という言葉こそが、あの街を体現していると考える。常に危機感を持ち、現状に安住しない者だけが生き残る。そしてその先に、世界を変えるインパクトが生まれる。サンフランシスコ、シリコンバレーという世界を築いたIntelの元CEOが語るこの言葉には、十分すぎる重みがある。
